古代アイドル はにわの秘密
今回の歴史探偵は、古墳時代に作成された埴輪を深堀した回でした。
古墳時代というのは、縄文時代、弥生時代の次の時代の約350年間の事で、古墳時代が終わると飛鳥時代になります。
上記イラストはillustACというサイトにあった「国宝 挂甲の武人」と言う埴輪です。現在はほとんどの埴輪が土色一色ですが、今年、東京国立博物館 考古室研究員の山本亮さんがこの埴輪を一度解体して、OLYNPUS DELTAXというX線を照射する機器を使用し色の元素を特定したそうです。
結果は、この埴輪の基本の色は白、縦線は灰色、太刀や紐等の細かい箇所は赤だと判明したのです。
はるか昔に作られた埴輪がこんな鮮やかな色だったとは驚きましたし、解体して調査してまた組み立てるという途方もない作業を行った研究員の方々にも頭が下がりました。
古墳時代は文字がありませんでしたが、全国で調査を進めていった結果、埴輪は生活そのものを忠実に再現して作成されていたことが判明したそうです。
長くなるので大分割愛しますが、鵜が魚を咥えている埴輪(鵜飼)(※日本最古の鵜飼の資料だそうです)だったり、古墳時代に朝鮮半島から来た馬の埴輪、またこの時代の人々の大切な儀式(水の儀式)を行っている様子がそのまま発掘されたり、ムササビの埴輪や、翳(さしば)という身分の高い人は庶民が直接見てはいけないので側近が顔を隠した団扇みたいな埴輪や、1m以上もある大きな船の埴輪等が見つかっています。
最初は古墳の周りに配置されていた埴輪が、時代とともに民にも見えるように丸い部分とその下のつなぎ部分に造り出しが出現し、そこにも埴輪が置かれるようになり、更に時代が進むと古墳の外側に大きなステージのような場所が作られて、そこにいくつかのテーマ別に200体以上の埴輪が設置された古墳も見つかっています。
丁度この埴輪ステージの外堀が完成したときに火山が噴火してそのまま埴輪が火山灰に埋もれたため、置かれた配置そのまま発掘されたとのこと。
埴輪はその古墳に眠っている支配者の権力の象徴であり、どのような生活を送っていたのかがわかるつくりになっているそうで、例えば水の儀式のステージ、狩りのステージ、政のステージなど、いくつかの種類に分かれているそうです。
そのようなことは全く知らなかったので新鮮でした。
この歴史探偵は最新の調査の結果を放送してくれるので、面白いです。
私が学生時代に習った内容が覆される事も多々あります。
特に戦国武将のイメージは良く崩れます。
日々新たな資料が発見されますし、時の権力者によって異なる話が広まっている事もあるので、テレビで新しい情報が提供されるのは嬉しいです。