カンブリア宮殿「イトーキ10/17放送分」
出だしは福井県の越前織の老舗メーカー「松川レピヤン」が2年前に7億円をかけて新本社を建てたという話から始まりました。
そのオフィスは机の配置が面白くて、どこの机に座っても社員同士の顔が全員見えるようになっており、社員同士のコミュニケーションが増えた等の効果があったとか。
また、社員食堂も綺麗で、まるで自宅の机みたいに座って食べられるスペースや、食事の後にクッションで寝られる場所があったり、こんな食堂見たことないという斬新なものでした。
この会社は本社を新しくしてから就職希望者が3倍になったそうです。
てっきりこのまま「松川レピヤン」を掘り下げるのかと思いきや、このオフィスをプロデュースしたという「イトーキ」という会社の話でした。
「イトーキ」は日本で初めて学習机を製造販売した創業134年の老舗メーカーで、本社は東京日本橋の巨大なオフィスビルの中にあります。
現在の主力事業は「次世代オフィスのプロデュース」で受注件数は年間4万件(サントリー、カルビーなどの大手も)依頼したそうです。
そんな「イトーキ」
2019年、20年は赤字に転落しましたが、去年は1329億円の純利益。
その立役者である、日本オラクルの副社長の時にヘッドハンティングでイトーキの社長になった湊宏司さんがゲストでした。
湊社長の改革はいくつかあって
・オフィス革命①=イトーキ本社は3フロアありますが、順次最新オフィスに改装。屋内コンセプト、屋外コンセプト、私語禁止エリア、等複数のコンセプトに分かれており、社員がその日の気分で働く場所を自由に変えられます。更にそのオフィスはショーウィンドウも兼ねており、働いている所をユーザーが見学できます。
・オフィス革命②=人の動きにフィットする家具を作る。例えばオフィスで座る椅子一つとっても様々な人の動きを分析してあらゆる角度に曲がる椅子だったり、座りながらストレッチ出来る椅子などを作り、ヒットさせました。
イトーキは湊社長が就任して2年で利益が5倍になったそうです。
・工場の工員全員にタブレット支給
・イトーキのやり方だから、という前例踏襲主義はダメ!と社員を教育。
・ちえくり改善大会=社員誰でも改善案を出せる。金賞は50万円
・従来の評価制度はA=10.5%、B=81%、C=8.2%、D=0.3%でしたが、これを5段階評価に変更し、5=5%、4=15%、3=60%、2=15%、1=5%にしました。
・営業にインセンティブ制度導入し、年収が3倍になった人もおり、きちんと評価されるのはモチベーションも上がると好評です。
イトーキには811件の特許があり、これを他の会社とコラボして商品開発して日本社会を発展させる等、これからの未来も明るいと思わせる夢広がる回でした。
この湊社長は前職が日本オラクルの副社長で4半期ごとに結果を求められる環境だったそうです。9か月成果が出せないようだと退場させられる厳しい会社で30年余り勤めていた方ですから、結果を早く出すノウハウというか気付く視点がやはり常人ではないと感じました。
普通は環境が変わると不安になったりするものですが、全く業種が異なる会社に勤める事になった時、ワクワクしたそうです。流石です。
就任当初はイトーキの社員に抵抗されたりあったそうですが、結局社長の言う通りにして良いことしかなかったと笑顔。今では皆様、あの時は反対して御免なさいなどとおっしゃってました(笑)
素敵ですね。